2026/01/02 20:51

椨粉(たぶこ)とは?|日本のお香文化を支えてきた、見えない主役

お香の香りというと、
パロサントや白檀、沈香などの「香木」を思い浮かべる方が多いかもしれません。

けれど実は、
日本のお香づくりに欠かせない、
もうひとつの大切な原料があります。

それが、椨粉(たぶこ)です。


椨粉(たぶこ)とは何か

椨粉とは、
椨(たぶ)の木の樹皮や木部を粉砕して作られる天然の粉末です。

日本では古くから、
線香や練香など、
お香の「形を保つための基材」として使われてきました。

香りを主張する素材ではありませんが、
香木や植物の香りをやさしくまとめ、
火をつけたときに安定して燃える。

まさに、
お香の土台となる存在です。


なぜ椨の木が使われてきたのか

椨の木は、
日本の温暖な地域に自生する常緑樹で、
樹皮には自然の粘り気があります。

この性質によって、
接着剤や化学物質を使わなくても、
粉同士をしっかりとまとめることができます。

つまり椨粉は、
無添加のお香を作るために、非常に理にかなった素材なのです。


クリスタルインセンスの椨粉へのこだわり

クリスタルインセンスで使用している椨粉は、
福岡県産・自然栽培・無農薬の椨を原料としています。

さらに、
粉砕の工程では、
水車の動力のみを使用し、電気を一切使っていません。

この方法は、
大量生産には向きませんが、
素材への負担が少なく、
木が本来持つ性質を壊しにくいという特徴があります。

時間と手間をかけてでも、
自然な状態に近い椨粉を使うこと。

それが、
香りのやさしさや、煙の質にもつながっています。


椨粉は「香りを邪魔しない」

椨粉そのものには、
強い香りはありません。

だからこそ、
パロサントや白檀、杉など、
他の素材の香りを邪魔せず、
全体を静かに支える役割を果たします。

香りを足すのではなく、
香りを整える。

椨粉は、
日本的なお香づくりの美意識を象徴する素材とも言えます。


見えない部分にこそ、価値がある

完成したお香を見ても、
椨粉が使われているかどうかは、
見た目ではほとんどわかりません。

それでも、
どんな椨粉を使っているかによって、
香りの立ち方、煙の質、焚いたあとの余韻は大きく変わります。

クリスタルインセンスでは、
この「見えない部分」にこそ、
妥協をしないものづくりを大切にしています。


椨粉から始まる、お香の物語

お香は、
香木だけでできているわけではありません。

支える素材があり、
受け継がれてきた知恵があり、
それを今の暮らしに合わせて使う人がいる。

椨粉は、
そんな日本のお香文化を、
静かに支え続けてきた存在です。

香りを焚くとき、
その背景にある素材や物語にも、
少しだけ思いを巡らせてもら